論文奨励賞

受賞者の所属は受賞当時のものです。

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第19回(令和7年度)

論文佐々木一織・有川正俊・Lu Min・内海富博・佐藤 諒(2024):まち歩き向け位置情報サービス改善のためのセンサデータ駆動型ライフサイクルの実証(地図,62巻3号,1-12,通巻247号に掲載)【論説】
受賞者佐々木一織 会員(秋田大学大学院理工学研究科)
受賞理由佐々木一織会員の「まち歩き向け位置情報サービス改善のためのセンサデータ駆動型ライフサイクルの実証」(地図,62巻3号,1-12)は,観光者のスマホ位置情報による軌跡データを活用して,観光ルートを改善する研究であり,まち歩き向けの観光パンフレット等における観光ルートと,その利用者が実際に歩いた軌跡データとの差異に基づき,観光ルート制作者がルートの改善を行うことを支援する枠組みを提案した。特に,軌跡データを分析に適した行動ログデータとして要約し,観光ルートをスコアリングする手法を提案して有用性を示した点や,秋田市のまち歩き観光事業における観光ルートとその利用者を対象に,提案した枠組みによる観光ルート改善の効果を実証した点が,評価される。

第18回(令和6年度)

論文鈴木洋太郎(2023):地図の視点はナヴィゲーションにどのように影響するか-大学キャンパスマップの検討-(地図,60巻1号,1-16,通巻241号に掲載)【論説】
受賞者鈴木洋太郎 会員(京都大学大学院文学研究科・院生)
受賞理由本論文は,キャンパスマップを事例として,地図の視点がナヴィゲーションに与える影響を検討した研究である。そのために既存のキャンパスマップを収集して分析した上で,対象となる大学の学生とキャンパスになじみのない中学生を被験者としながら,平面図型と鳥瞰図型のキャンパスマップによるナヴィゲーション課題の成績を比較した。その結果,ルート維持と現在地確認では鳥瞰図型の優位性がみられたが,プラニングの場面では平面図型が有効であるなど,ナヴィゲーションのための地図の設計に応用可能な有益な知見が得られていることが評価された。

第17回(令和5年度)

該当者なし

第16回(令和4年度)

該当者なし

第15回(令和3年度)

該当者なし

第14回(令和2年度)

該当者なし

第13回(平成31年度)

論文吉田桃子・石川初(2018):地図を用いた都市空間の批評的な記述方法の提案―現代の江戸切絵図の制作を通して―(地図,56巻4号,18-33,通巻224号に掲載)【論説・添付地図解説】
受賞者吉田桃子 会員(慶應義塾大学大学院)
受賞理由人工環境が高度に発達し複雑化した現代都市を対象に、図形作成ソフト等を用いて江戸切絵図の特徴を分析し、それをモデルとして歩行者の視点から地図化し現代の江戸切絵図を試作する過程を報告した論文である。著者のひとりの吉田桃子会員は、共著者の石川初会員の研究室で地図学の研究手法を学び、日本地図学会2017年定期大会(於 慶應義塾大学)で口頭報告した内容を論文化したものである。歴史的な地図に敬意を表しつつ、現代社会における地図の位置づけや、地図と世界観に関する最新の地図学の研究成果を活かした意欲的な研究姿勢は評価できる。

第12回(平成30年度)

論文荒堀智彦(2017):インフルエンザ感染症サーベイランスにおける疾病地図の利活用と健康危機管理に向けた課題(地図,55巻2号,1-16.通巻218号に掲載)【論説】
受賞者荒堀智彦 会員(首都大学東京大学院)
受賞理由インフルエンザ感染症に関する地域サーベイランス(調査監視)として、感染症の予防、診断、感染症発生動向と患者数、治療に関する情報を可視化し提供する「疾病地図」に着目し、日本の各地域のサーベイランスにおける地図表現や、保健所、医師会、自治体による利活用の現状とその効果等について調査を行い、課題について考察している。健康危機管理情報の共有とリスクコミュニケーションのためのツールとして、地図利用の新たな可能性に取り組んだ意欲的な研究である。

第11回(平成29年度)

該当者なし

第10回(平成28年度)

該当者なし

第9回(平成27年度)

該当者なし

第8回(平成26年度)

論文梶山貴弘・藁谷哲也(2013):衛星画像及びDEMを用いたカラコルム山脈フンザ川流域の氷河台帳と氷河分布図(地図,51巻3号,1-16.通巻202号に掲載)【論説】
受賞者梶山貴弘 会員(日本大学大学院)
受賞理由同会員と藁谷哲也会員との共著論文『衛星画像及びDEMを用いたカラコルム山脈フンザ川流域の氷河台帳と氷河分布図』(地図51(3):1-16)は、衛星画像やDEMを用いて新たな氷河台帳・氷河分布図を作成し、新旧の台帳を比較することで地球環境の変遷に関わる重要な成果を得たもので、地図の有効性を示した優れた論文である。

第7回(平成25年度)

該当者なし

第6回(平成24年度)

論文河本大地(2011):世界ジオパーク・日本ジオパークのウェブサイトにおける地図情報発信の特徴(地図,49巻3号,46-53.通巻194号に掲載)【短報】
受賞者河本大地 会員(神戸夙川学院大学)
受賞理由同会員著の「世界ジオパーク・日本ジオパークのウェブサイトにおける地図情報発信の特徴(地図49巻3号掲載)は、日本を含む世界各地のジオパークがウェブサイトでどのような地図情報を発信しているかを調査・分析したものである。ウェブサイトの地図に意欲的に切り込んだだけでなく、教育面などにも言及しており、優れた論文である。

第5回(平成23年度)

該当者なし

第4回(平成22年度)

論文渡邉英明(2009):近世在方町における絵図作成の特色 -武州小川を事例として-(地図,47巻2号,1-16.通巻185号に掲載)【原著論文】
受賞者渡邉英明 会員(大阪大学大学院生)
受賞理由同会員の単著論文「近世在方町における絵図作成の特色 -武州小川を事例として-」(「地図」、47巻2号掲載)は、近世在方町の絵図の特色について多くの史料に基づいてていねいに論じたものである。古地図研究としても郷土研究としても手本となるような内容であり、高く評価される3

第3回(平成21年度)

論文林紀代美(2008):お絵描き地図の魅力と可能性-まずは楽しく描いてみよう,出かけてみよう!-」(地図,46巻2号,11-18.通巻181号に掲載)【報告】
受賞者林紀代美 会員(金沢大学)
受賞理由「はやしきよみ」名で発表された同会員の単著論文「お絵描き地図の魅力と可能性-まずは楽しく描いてみよう,出かけてみよう!-」(「地図」,46巻2号掲載)は、「お絵描き地図」作家としての経験談と、それに裏打ちされた地図教育の方法を論じたもので、地図普及にとって多くの示唆を含む点で高く評価される。

第2回(平成20年度)

論文佐藤崇徳・後藤秀昭(2007):アナグリフによる地形実体視と地理教育での利用(地図,45巻1号,19-26.通巻176号に掲載)【報告】
受賞者佐藤崇徳 会員(沼津工業高等専門学校)
受賞理由同会員が筆頭著者となっている論文「アナグリフによる地形実体視と地理教育での利用」(「地図」、45巻1号掲載)は、教育現場での実践に基づき「実体視」の効果を説き、実用性の高い教育手法を示した点で高く評価される。

第1回(平成19年度)

論文渡辺理絵・小林 茂(2004):日本-中国間の地図作製技術の移転に関連する資料について(地図,42巻3号,13-28.通巻166号に掲載)【資料】
受賞者渡辺理絵 会員 (茨城大学(非))
受賞理由同会員が筆頭著者となっている論文「日本-中国間の地図作製技術の移転に関連する資料について」(「地図42巻3号」掲載)は、明治期の日本による清国の測量・地図作成技術者養成について資料を発掘し、多くの事実を明らかにしたものである。
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